私たちインスペクターが室内の点検を行なうときには、いくつか道具を使います。

その中で、とても簡単に使えて、ホームセンターなどでも比較的安価に購入できるツールのひとつが「水平器」。


水平器1.jpg

中央の透明な部分に気泡が入った液体が入っていて、水平器を当てたときに気泡がどこに来るかで傾きがわかります。

 

水平器2.jpg

上記写真のように、気泡が黒い線と線の間にあれば「水平」な状態です。

 

気泡がどちらかに偏ると、その偏った方向が「上」になってやや傾いていることがわかります。

たとえば気泡が左に寄っていれば、『左から右に下がっている状態』ということです。

 

では、早速使い方の例をご紹介しましょう。

私たちのマンションの内覧会での点検例です。


水平器3.jpg

バルコニーの排水側溝です。

写真では、右側に排水口がありますから、この側溝は左から右に下がるように、緩やかに傾いている必要があります。

ですから、水平器を置いたときには、気泡がやや「左寄り」に来るのが正解。

 

では気泡の位置を見てみましょう。

 水平器4.jpg

気泡がやや左寄りにあるのがわかります。

これで、この側溝は左側から右側に掛けて「下っている」状態だということがわかりますので、適正な施工状態だと判断できるわけです。

 

ちなみに、もしこれが逆の傾きだとどうなるかと言うと、雨が降ったあとに側溝に向けて水が流れてくれないため、側溝に水溜りができてしまいます。

 

少量(24時間前後で蒸発する程度)であれば問題ありませんが、何日も蒸発しないくらいしっかりと水溜りができてしまうと、苔が生えたり・・・と気持ちの良いものではありません。

側溝の傾きが逆になっている場合などは、施工会社に手直しを依頼しましょう。


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水平器の使い方はこれ以外にもたくさんありますが、皆さんが内覧会のときなどに使うとすれば、こういった使い方もおすすめです。

 水平器5.jpg

壁やドア枠、床などにあてて、大きく傾いているところが無いかを抜粋チェックできます。

 

目安は前述のように、両側にある黒い線。(緑の矢印のところ)

気泡がこの線の位置までぐーっと偏っているような場合は、傾き量は大きめです。

 

住宅診断の専門家(ホームインスペクター)は、専用の計測機器(レーザー)を使用しますが、一般の購入者の方々がご自身で傾きを調べたい!ということであれば、このように簡単に見られますから水平器はお勧めです。(もちろん、計測機器よりはざっくりとした調べ方になります)


壁も床も建具も、職人さんが立てて工具を使って固定して・・・という手作りですから、機械のように「誤差ゼロ」の完全な水平・垂直を作ることは難しく、ある程度どんな家の壁・床・建具にも傾きはあ。

 

ただ、やはり施工不良で壁や床、建具などが著しく傾いているときがあり、その場合は、当然修繕工事を依頼します。

 

一般に「許容施工誤差」というのが数値で決められていて、その数値内の傾きは手直しする必要はありませんので、もし水平器で壁や床の傾きがあるのがわかったら、まずは施工会社に、計測機器できちんと計測して状態を確認してもらえるよう、お願いしてみてください。

 

計測数値などをもとに状況を説明してもらい、そのうえで修繕工事が必要なものなのかどうかを判断し

ましょう。


参考:マンション・一戸建ての内覧会で気づきにくい不具合事例

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